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帝國軍用犬協會不正血統書事件 昭和8年

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死亡したシェパードの血統書が廃棄されることなく他のシェパードにすり替えられる不正行為は、戦時を通してKV(帝國軍用犬協會)やJSV(日本シェパード犬協會)の地方支部で問題化していました。多くは噂話だったのですが、実際に新聞沙汰となったのが戦前に発覚したKVの不正血統書疑惑。

昭和28年、これを回顧したJSA(日本シェパード犬登録協会)の中島基熊氏が「シェパードの血統書にアンゴラウサギが載っていた詐欺事件」と書いてしまい、現在はそういう内容であったと誤認されています(実際はウサギなど関係なかったのですが)。

新聞報道でKVは大騒ぎとなり、内部告発者の伊藤藤一は自分が創設したKVを追放されます。共に日本シェパード倶楽部(NSC)から合流した幹部も主流から外れ、以降の数年間でKVは軍事色を強めていくこととなりました。

KV側は「ウチは悪くないよ。むしろ騙された被害者だ」という責任転嫁、JSV側は「復讐の時は来た!これを機にKVをボコボコにしてやれ!」という悪ノリの傾向が見られるので信用に値しません。故に、資料は両者の仲介役だった犬の研究社・白木正光のものに求めました。

 

序論

十一月廿九日朝日、日々の両新聞を除く東京新聞の朝刊は、一斉に恰も帝國軍用犬協會の血統証明書に不正ありと断じた如き記事を大々的に掲載した。たとへば時事新報は「時代の寵兒シエパードを種に新手の詐欺、血統書を巧みに偽造」と三段抜きの大見出しを用ひ、讀賣新聞は更に猛烈に「シエパード時代に踊る三人組の悪漢、軍用犬協會の登録係も一味」と矢張り三段抜きで決めつけてゐる。

 

新聞記事の内容

そして記事は相當詳しく、殆んど新聞一段以上に亘つて書かれてゐるが、内容はどの新聞も大同小異で大體「軍國日本の寵兒軍用犬シエパードを種に血統書を偽造して帝國軍用犬協會審査員を抱込み、インチキシエパードでボロイ金儲けをした二人組の際物詐欺師が逮捕された。警視廳刑事部捜索第一課野口警部は數日前から元歯科醫寺田香苗、畜犬商鹽田秀重、帝國軍用犬協會血統係永田秀吉の三名を留置取調中であるが、寺田はかねて知り合ひの前記鹽田と共謀して、鹽田と昵懇の間柄である永田登録係を抱込んで、系統不明の自分の所有犬に永田から立派な血統證をもらつてインチキシエパードを高價に賣却してゐた」と云ふ意味のことが、可成り具體的に書かれてあつた。

これを突然に読まされた讀者は犬好きであると無いとに拘はらず、必ずや大シヨツクを受けられたことゝ思ふ。しかし多少でも犬界の事情に通じた人達なら、「いよ〃やつたな」と云ふ感を抱かれたことであらう。何故なら既にこの夏頃からかうなる空氣は徐々に濃度をまし、所謂怪文書なるものも屡々愛犬家間に乱れ飛んだからである。

 

我等の態度

それを何故犬界ニユースの報導を特色とする本誌が書かなかつたか、愛讀者の中には不審に思はれるばかりでなく、本誌の怠慢を責められる方があるかも知れないが、本誌はあく迄朗らかでありたく、犬界浄化をモツトーとして生れたものであるから、さうした内輪もめのやうなごた〃は如何なる事件でも触れない方針で、一切書かなかつたのである。もし内輪で明るみに出ずに納まるものなり、わざ〃書くこともあるまいと云ふ老婆心も手傳つてゐた。が、事件がかく新聞に大々的に報導され、表面化した以上は、最早本誌として放任して置く譯には行かない。事件の経過内容を出來る丈け詳しく正しく讀者に報導するのが義務であると思ふが、全貌を正しく傳へると云ふことは容易でない。又何人も傷けたくないと思ふと責任は愈よ重くなる。そこで小生自ら執筆することにし、且つ責任を明かにするために小生の本誌との関係も明記することにした。しかし小生とても犬界との交渉は今春以來の一年生であり、又如何に客観化して書かうとしても主観の混じることは免がれないと思ふので、こゝに述べることも要するに小生一個の井蛙の言に過ぎないかも知れぬことを、明に断つて置きたい。

 

近因遠因

今度の事件の近因は人の噂誌九月號にのつた、並木光三氏の「帝國軍用犬協會の暗闘」に對し、ドツグ誌九月號で反撃したかの観のある「馬と鹿の噂」の一文であつた。遠因は遥に昨秋協會創立當時にあり、續いて日本シエパード倶楽部合併、伊藤藤一氏の理事辞任が中因となつてゐた。そして伊藤藤一氏の協會に對する巧妙なる取引きが、今度の問題となつて表面化したのである。何故にかく云ふか。以下少しく具體的に書いて見やう。

 

協會創立の一面

協會創立は昨秋の、小生の犬界と没交渉の時分のことであるから、詳しいことは知らぬが、その創立の動機に多分に日本シエパード倶楽部と對立意識の含まれてゐたことは否めないやうである。そしてこの意識がことごとに現はれて災ひをしたのは、今春以來小生も屡々實見してゐる。一體軍用犬協會は畏くも總裁宮殿下をいたゞき軍部を背景として、軍犬報國を事業とする日本に於ける絶對無二の團體である。勇往邁進してよかり相なものを、右顧左眄してゐるのは、さうした観念に捉はれてゐるからで、シエパード倶楽部併合を一大事業の如く考へたのも、その誤れる観念からであつた。そして舊シエパード倶楽部の一部の人々で、日本シエパード犬研究會が結成されるや、忽ち協會理事の一部が硬化し、今度の事態に導く動因となつたのも、要するに人が悪いのでなく、かゝる傳統精神によるのである。

 

伊藤藤一氏の場合

次に協會創立の最大功労者とも云ふべき伊藤藤一氏が、上野に第一回の軍用犬展を花々しく開いた直後に忽然理事を辞任すべく餘儀なくされたことは、協會として将來の發展上やむを得なかつたことであらうが、伊藤氏に取つては無念この上なかつたことに違ひない。今に見よと云ふ氣持の起つたことは容易に想像され、又自然の人情である。この點伊藤氏にも同情すべき點はある。そして「馬と鹿の噂」は待機の伊藤氏に進出の好機を與へたものであつた。

 

研究會の吟味

次に日本シエパード犬研究會も今度の問題に直接間接に大きい関係があるから、その成立次第を述べると、協會と倶楽部の合併當時まで至極圓満に行つた舊倶楽部幹部は、新理事の發表を見るや、一夜にして對立的立場に置かれたといふ噂である。そのことの真偽は保證の限りでないが對立的と云ふのは勿論新理事になつた協會幹部派と、理事になれなかつた人達である。そしてその後者の人達で日本シエパード犬研究會(※NSK)が、間も無く組織されたのである。

 

幹部派怒る

これを見た協會幹部派の新理事達は、恰も協會に反撃するもゝの如く解し、我等を裏切るものとして憤慨した。新理事の立場とすれば、無理もないことであるが、こゝに幾多の遺憾があつたと第三者は見る。何故もつと寛容に「あの人達も今迄働いてゐた地盤を失つて淋しくなつて又集つた」と云ふ風に軽く考へられなかつたであらう。そこに例の傳統の對立意識が働いたのであるが、無條件に彼等を敵としたことは、その後幾多の誤算を生み、竟に伊藤氏に好機を與へることになつたのである。

 

最大の誤算

誤算の第一、そして最大のものは「人の噂」九月號の記事であつた。あの記事を見ると早速研究會を連想した。そして研究會の誰かの悪戯と解した。記事の内容は協會創立當時から倶楽部合同に至る間のいろ〃の内幕暴露であつて、創立功労者の伊藤藤一氏、築山大尉が最も辛辣に槍玉に上つてゐる。そこで伊藤氏の側でないとすれば、必然研究會側の何ものかであらうと云ふことになり、研究會の奴等は愈よけしからぬとなつて、ドツク九月號に「馬と鹿の噂」が發表されたのである。この馬と鹿の噂は徹頭徹尾研究會側の久保盛徳、中島基熊両氏の合併當時に於ける態度をあくどく非難したものであつた。ところが段々調べて見ると、「人の噂」の筆者は研究會とは全然関係ない協會の一會員であることが判つて某は直に除名處分に附された。

 

伊藤氏假面を脱ぐ

この協會側の誤算に、時至れりと許り立つたのが伊藤氏であつた。まづ協會理事の軽挙を責め、殊に久保氏は協會の参與と云ふ重大な役員であるのに協會理事が非難するとは何事ぞ、その責任の所在を明らかにせよ等々と詰めよつた。この伊藤氏の説はこの限りに於ては十分道理があつた。まあ云つて見れば、人のよい協會理事諸君はツイウカ〃と挑戰して、小股を掬はれ、のつぴきならぬ羽目に陥し入れられた観があつた。かくて伊藤氏はこの好機と許り、協會内部のことを知悉してゐるものだから、いろ〃の點に亘つて協會不備を難じ、竟に陸軍省で大島會長と會見するまでに事態を急迫せしめた。この伊藤氏の心情は前にも述べる通り、一面には同情すべきものがあるが、たゞ一つの遺憾の點は、さう云ふ動機から立つてゐるのであるから、とかく感情に走り、協會やつゝけ主義であることであつた。

 

談判決裂

さうした戰ひであるから、いくら陸軍當局が肝入りをし、又伊藤氏に歩があつても纏まる筈がない。伊藤氏の聲明書によると「超へて六日(十一月)大島會長より會見を申込まれたるも、八日本省にて會見すべきを約し、同日午後一時半吉村、田村両氏を煩はし課長室に於て會見を遂げるこゝとなつた。その席上大島會長は従來提示された業務上の問題に就て弁明されてゐたが、吾人は其血統證明書の不正に就て實證を挙げて審さに説明した。然るに會長は事柄が専門的で能く解らないとのことであつたから、永田理事を同席上に招致し、不正の箇所を指摘して警告を發したのであるが、徒らに抗弁的態度に出でゝ更に反省する氣配なく、到底誠意を認むることが出來なかつたから、司法権を有せざる吾人のことゝて一應の質問に止め、深く追求する手段に出づること能はずして此會見を終つたのである」とある。これによつて新聞記事になつた経緯も自ら明瞭にならう。

 

永田氏の傍杖

右の次第であるから、もし「馬と鹿の噂」が出なかつたら、此度のやうな事態は起らなかつたかも知れぬ。又伊藤氏の云ひ分が假りに通るとすれば、矢張り問題は表面化せずに済んだであらう。さう考へると永田秀吉氏は全く傍杖を食ひ、そして端役であるべき氏がスターとなつて踊らされ、警視廳には二十八、九日の二晩もとめられる。世間からは悪人視せられる。取調べの結果青天白日のあかしが立つたからよいやうなものゝ、此度の事件で一番貧乏籤を引いたのは氏である。

 

取調べの内容

警視廳で三氏を取調べた内容の荒ましは、今春の第一回軍用犬展に鹽田氏の持犬を會員でないため會員柳沼氏の名で出陳し、審査員永田氏は情を知つて入賞させたので高價に賣れたと云ふのと、寺田氏が虚偽の血統證を永田氏から買つて仔犬を高價に賣つたと云ふのであるが、永田氏にさうした忌しい情實関係のなかつたことは、前記の如く明白になつた。

他の二氏は未だ法の裁きがないので明確なことは云へぬが、寺田氏が、虚偽の血統證の申請をしたのは事實であるらしく、その仔犬を鹽田氏の手を通して貰つたので、鹽田氏にも多少の手落はあるらしい。この點は協會でも認めて、寺田氏を除名、鹽田氏は大日本軍用犬協商會(※KS)のメンバーであるが自發的に退會した。

 

協會の動揺

協會は正に投げられた爆弾が見事に命中した形で、まさかと思つてゐた事件が、新聞に、しかも最悪の筆調で報導されたのだから動揺は免かれなかつた。新聞に出ると殆んど同時にクラブ側から理事になつた中根榮氏は今回の事件を醸したのは自分等の不明の致す所と責任を痛感して辞表を提出した。三十日夜に開かれた理事會でも、この際責任を明らかにする意味で辞職すべしとの大義名分論が大分出たやうであつた。南謙吉氏などは既に以前から理事一年交替説を称へ、理事は常に流動し新味のあることが協會を生かす道であると説いてゐた。しかし同夜の大勢は、まづ今回の事件の結末をつけて、おもむろに善處すべしと云ふことに落着したらしい。

 

協會の新陣容

しかし協會が、不正血統證を發行したことは、現在の制度では真にやむを得ないと云へ重大失態であるから、協會々報十二號に明記されてある如く、大島會長(※大島又彦陸軍中将)は直に、總裁宮殿下(※久邇宮朝融王)に對し奉り、お詫びを言上し、引責辞職の議を願出づると同時に、荒木陸相(※荒木貞夫)に對しても辞意を表明したが、殿下より畏くもその儀に及ばずとの有難きお言葉を賜つた。

一方永田理事は新聞にかゝれて協會を騒がした罪大なりとして辞表を提出し、これと殆んど前後して築山大尉も辞表を出したが、築山大尉は協商會創立に與つて力のあつた人、其協商會員が、今度の事件に関係して申譯なしの意味が、多分に含まれてゐるらしい。クラブ側から入つた南(※南兼吉)、田島庄太郎両理事も一時思ひとゞまつた辞任の決意を再び固めた。又渡邊彦理事も辞表を出した。かくて一時に永田、中根、築山、南、田島、渡邊の六理事を失つた協會は、十二月十一日の評議員會で、別頁消息欄の通り、加藤景美、加藤赳夫、兼田秀雄、澤田退蔵、佐々木辰太郎五氏を新理事に選挙し、新に常任主事を設け、佐々木氏がかねることになつたが、協會に専任主事が置かれたのは一進歩である。なほ同時に伊藤藤一氏と、伊藤氏と行動を共にした監事津村福章氏を除名した。

 

我等の主張

以上が今回の事件の荒筋である。雨降つて地かたまる。これが動機となつて協會が益々健實に發展せんことを衷心より希望するが、それと同時にこれまで屡々協會理事者に語つたことであるが、協會に對し註文したいことがいろ〃ある。

第一は屡々述べた對立氣分の一掃である。其神経質さへなければ協會の絶對性は自他共に認めるであらう。

第二は併合の立前を統制の立前に転向されたいことである。併合しやうとするから無理が出來る。又さうした氣持で立つから協會人以外は敵のやうに見える。一人で總べてのことをしなければならぬので、奔命にも疲れる。

第三は衆知を集めることである。理事者はそのためにも努めて犬界人と接触すべし。ところが例の對立氣分に災ひされて、個人なら下げられる頭も、協會の理事者としては下げられぬと云ふ風があつた。これでは自ら障壁を設けるもの。協會は趣味團體ではないから私情を捨てゝ大目的の達成に努められたい。

第四は會費の低減。現在の十圓は如何にも高過ぎる。小數有産階級の場合なら別だが、殊に将來は地方人により多く期待をもたなければならぬ軍犬の會であるから、乙種會員と云ふ名目でもよい、もつと安い會費でも入會の出來るやうにしたい。

第五、會報の刷新。こゝにも對立の幽霊が躍つてゐるやうに思ふ。又今迄會報の編輯をごく単純に考へた理事者の認識不足も改められたい。この點は今迄編輯に當つた田島理事に多大の同情を持つ。しかし既に二千の會員に配るのであるから、何も営利雑誌のやうに無闇にお化粧する必要はない。實質本位、内容本位で行つたら、経費も相當節約出來るであらう。

第六、研究部門の新設。既に衆知を集めよと云つたが、その衆知を努めて利用することである。一般犬界人も協會が真の使命に目覚めれば、喜んで協力する氣持の濃厚であることが観取される。それ等の人々をいろいろの研究部門に配属させる。或は研究の諮問機関を作る。協會の事業は漸く緒に就いた許りであり、殊に研究方面は殆ど未だ手を染められてゐないのだから、是非に實現したいもので、これが出來れば會報の記事には困らぬであらう。

第七、畜犬商も會員にすること。今日の制度では協商會が必要であり、協商會が存在すれば聯絡係りが要つて、何時も今度の築山氏のやうな犠牲が出ることになる。今日では既に會員二千人以上の大協會であるから、この方面にも襟度を廣くして、禍根を除かれたいものである。

第八、これは稍老婆心に過ぎるが、協會幹部は出處進退を明にする事。努めて己を空しくして協會のために盡す一面、協會幹部である以上は身を堅持すること。自分の金で遊ぶのだから何等やましくないことでも、各方面にいろ〃のデマがとび、協會の大目的達成に障害になつてゐる。實例を往々耳にするので、特に附加した。

 

犬界の大同團結

これらの要求は、しかし速急に出來るものとは我等も思つてゐない。徐々に改善され、或は他山の石とせられゝば本懐であるが、最近協會は著しく寛大となり、廣く犬界の意嚮の上に立つて、協會を愈よ強固に導かうとする態度が察知される。その第一の現れは本社が次號のために十二月廿二日夜催した軍犬報國座談會である。出席者の顔触れは、協會から大島會長、牧田理事、佐々木主事、有坂大尉(※有坂光威騎兵大尉。後にJSVへ転籍)。

陸軍省から栗林中佐(※栗林忠道)、田村少佐、川並二等獣醫正、加藤三等獣醫正。

日本シェパード犬研究會から浅田甚右衛門、中島基熊、相馬安雄(※新宿中村屋社長)、関信止、松本有義氏の五氏。

日本犬保存會から板垣博士(※板垣四郎帝大教授)、齋藤弘(※斎藤弘吉)、北村勝成の三氏。

エアデール協會から進藤光之助、由井彦太郎、中元銀弘氏の三氏。

かくて協會陸軍側は今迄比較的接触しなかつた犬界人から、この機會にいろ〃腹蔵のない意見をきいたのである。将來この催しが機縁となつて犬界に真の大同團結が成れば「犬の研究」が愛犬家に贈る第一年最後の、又最大の贈物となるであらう。

白木正光『犬界時事解題・帝國軍用犬協會の不正血統證事件 なぜ明るみに出たか』より 

昭和8年

 

白木さんの提言の多くは、これから3年程を費やしてKVも導入。組織の健全化へ向け試行錯誤を重ねました。會報からは、理事同士の馴れ合いみたいな同好会的記事も一掃されます。

そうやって不祥事続きのKVが動揺する間隙をついて、日本シェパード犬研究會(NSK)は社團法人日本シェパード犬協會(JSV)へ発展解散。両団体は「犬界の大同団結」どころか日本シェパード界を二分する抗争を展開し、戦後にまで禍根を残すこととなったのです。

……何だ、この騒ぎで一番得をしたのはJSVじゃないか。

感心するのが伊藤藤一氏で、KVを追放されるや日本シェパード倶楽部時代にケンカ別れした日本シェパード犬協會メンバーへ再接近。今度は辛辣なKV批判を展開するのでした(戦後に至るも「KVを作った自分の行動は正しい」と主張していますけど)。


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