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鹿兒島コリー倶楽部とその終焉

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事務所 鹿兒島市高麗町六八七

會長 國分勝彦

副會長 山下悌郎

常務理事 高野季信

理事 貴島源一

理事 上山宗一

 

戦前の日本コリー界は、カナダやオーストラリアから種畜場が輸入した海外系、国産コリーでは神奈川県子安農園系などが主力となっていました。
西日本は特異な状況にあり、一大勢力だったのが鹿児島の「鴨池動物園系コリー」です。宣教師が帰国する際にコリーのつがいを鴨池動物園(現在の平川動物園)へ寄贈。それが50頭近くまで繁殖したのです。
コリーの増加に伴い、地元愛犬家たちは「鹿兒島コリー倶楽部」を結成しました。
北海道、本州のコリー界と距離を置いていた鹿兒島コリー倶楽部ですが、独自路線が裏目に出て徐々に衰退。昭和9年には日本コリー倶楽部と合併し、同倶楽部九州支部として活動を続けました。
日中戦争が始まった昭和12年末には動物園の残存犬も3頭までに激減。戦時体制下において、繁殖の術を失った九州コリー界の状況は判然としません。
 

○鹿兒島コリー倶楽部合併

同倶楽部は十月十七日總會の結果本倶楽部に合併入會することに決定したる旨通知があつた。別項参照。

○役員會

十月二十六日於新宿中村屋

出席者

飯塚、中山、金子、清水、池野、野田、秦、新山、三上、關根、大場、相馬、池田、大浦子爵、齋藤、長倉、由井

決議事項

一、鹿兒島コリー倶楽部を當倶楽部に合併の件承諾

備考

十月十七日午後五時鹿兒島市山形屋六階一號社交室に於て鹿兒島コリー倶楽部の總會を開き、國分會長の挨拶、高野理事長の會務、會計等の報告あり。次で日本コリー倶楽部との合併問題に移り、高野理事長より從來交渉顛末等に關し詳細なる説明あり。審議の結果滿場一致を以て可決。更に内規一部の改正、宣傳方法及観賞會開催の事を協議決定し後ち食卓を囲みて飼育體験談、コリー種の特長、天稟の性情等に關した犬談華やかに月と共に夜を更かして散會。

一、九州支部設置(當倶楽部)

鹿兒島コリー倶楽部合併と同時に九州支部を設置し左の如く組織す。

イ、範囲 九州一圓

ロ、事務所 鹿児島市高麗町六八七番地

ハ、支部經済 支部は自治す。随て本部規定の會費納入を不要。但し會誌は定價の八割を支拂ひ、通信、印刷は其實費を負擔す。

ニ、支部内規 元鹿兒島コリー・クラブの會則を参照して、原案提出のこと。

ホ、犬籍登録と血統書本部犬籍部に於て適當なる方法様式を講究して支部と協定する事。但當分の内元鹿兒島コリー・クラブの舊例により假證發行の事。

ヘ、展覧會 観賞會等は其會規を添え時日場所を定め一ヶ月前本部の許諾を要す。

ト、審査員 開會一ヶ月前候補者を推薦ありたし。之を詮考して本部員を加へて任命すべし。但し場合により本部員を加へざる事あるべし。

チ、報告 毎月一回翌十五日迄に會員の移動其他状況報告の事。

日本コリー倶楽部會務報告より 昭和9年

 

 

 

 

 

 


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