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Channel: 帝國ノ犬達
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岡山県の軍用犬食糧米配給

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岡山縣主務課並に岡山縣信用購買販売組合聯合會の斡旋により、屑米を購入するのが出来たので、五月分として岡山市在住會員並に郡部に於ける市街地にて之が調弁不能のものに對し、軍用犬一頭に付一日二合宛を配給することとなし、尚六日以降の分は更めて右と同量を配給し得ることとなつた。
「軍用犬食糧米配給」より 昭和16年

在郷軍用犬への飼料配給は、やはり昭和15年前後から本格化したんですねえ。
ただし、小説などで見かける「戦時中、軍用犬には国から餌が配給された」というお話、アレは間違いです。
冒頭のとおり、実際は各道府県の自治体が配給の可否を決定していました。
交渉が不成立だった地域では、シェパードだろうと雑種犬だろうと飼料配給はナシ。畜犬税の免除もナシ。
戦時の犬に関する証言が食い違ったりするのは、このような地域による畜犬行政の差異も影響しているのでしょう。

だから「戦時畜犬界は全国一律でコレコレこうだった」とかいう主張は、話半分で聞くのが無難です。
このブログに書いてあることも同じですよ。この世に「正しい近代日本畜犬史」なんてシロモノは存在しません。
せいぜい「正しい岡山県の畜犬史」や「正しい東京の畜犬史」といった、エリア限定で纏めるのが精一杯でしょう。


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