皇紀2600年を記念して、6月6日當市森永賣店に於てJSV青森グルツペを作る。
青森縣下の會員12名の内、出席者は弘前市より藤松氏、青森市より市川氏、伊藤氏(石鉢氏代理)、羽田氏、板倉氏、齋藤氏、福井氏、瀬戸口の3名。初顔合せである筈であるが、殆ど御顔馴染ばかり。
名犬の話で時の過ぎるのを忘れた。
板倉氏の秘蔵犬はケールスカーの仔犬。市川氏の訓練犬はダゴーの息子。藤松氏のV賞牡犬。宮本氏、齋藤氏、福井氏及小生のはボドーの仔犬。それに拙犬のダツクスの娘と何れも一流犬の直仔揃ひで、大いに将来が期待される。
縣下のS犬界は先づ青森市が第一。
S犬と名の付くもの約40頭、その内血統書のある犬が半数。
次は弘前市を中心とする津軽地方であるが、各所に散在しておるから其の数は相當多いが、名犬の直仔も居る代り血統書のない犬が多い。
新興都市である八戸市付近には一名の會員も無く、連絡がとれぬが餘り名犬の話を聞いた事が無い。
冬の大雪には不尠閉口するが、初夏から秋にかけては實に良い。
梅雨が無くて暑さ知らず、S犬の蕃殖には理想的である。
今六月の中旬であるのにまだ冬服を着ておる人がある。S犬も衣替への最中。
これからでも遅く無い。會員は足並揃へて優秀S犬の作出を契つた。
「JSZ青森グルッペ誕生」より 事務所 青森市浦町 瀬戸口方
昭和15年
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戦時中の青森縣シェパード犬界
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