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Channel: 帝國ノ犬達
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札幌からの軍犬出征 昭和7年

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山の中で雪時分は犬と馬とが唯一の友で、月々の會報を何よりの楽しみに拝見して居ります。

目下シエパードの牡ばかり三頭使つて居ます。其等が子供等をソリに乗せて牽いて走つたり、牛を追つて來たりして居ます。

馬はあまりに敏感過ぎて、犬で追ふのがよくない様です。

私はNSC(日本シェパード倶楽部)の會員になつて五年になり、犬屋から三回買つて三回共死なしました。

札幌の二十五聯隊へ寄贈した牝は、目下満州で働いて居ます。友人から仔犬を望まれてやる約束をしてから三年にもなりまして、だん〃約束の数が年と共に殖へて來ます。

友人から先輩大家にさせられた手前、やらぬわけにゆかず困つて居ます。牝犬の大型のもの、仔犬でもよろしい、割安のもの御見付け下さい。又會員諸君へも適當のものがありましたら御通知下さい。

 

北海道・大井守雄

 

帝国軍用犬協会発足前の、地方における軍犬出征の記録は珍しいんですよね。軍犬の調達システム自体が構築されていなかったので。

 

札幌の歩兵第25聯隊は、この当時満州事変に出動していました。

小説「さよなら、アルマ」のモデルとなった犬が札幌から出征したのは、同連隊が樺太防衛についた7年後(昭和15年)のことと思われます。

 


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