こちらが陸軍による軍犬購買会風景。稟性、体格、体力、訓練レベル、健康状態、血統書内容などが厳しく審査され、合格した犬が飼主との価格交渉の末に購入されます。
原則として、強奪ではなく売買契約という調達方法が採られていました。
意地の悪いことを書きますが、「戦時中に愛犬を出征させられた」という悲話の中には、自発的に軍部へ犬を売却もしくは寄贈したケースも相当数含まれています。
これは帝国軍用犬協會登録犬の話であり、陸軍から睨まれていた日本シェパード犬協會登録犬には出征を強要されたケースがあったかもしれません。
ただし、日本海軍は日本シェパード犬協會からきちんと購買していたりするので話もフクザツなのです(JSVも、その点は明記していますね)。
「民間犬の出征」には、時期(戦前・戦争初期・中期・末期)や地域や登録団体によってイロイロなケースがありました。
青筋立てて当時のことを非難するのは結構ですが、先ずはその事を知ってほしいと思います。
感情論だけでは、犬の出征に関する話がアサッテの方向へ迷走しますので。

購買されたKV東京支部出征犬たちの出發。