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Channel: 帝國ノ犬達
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太平洋戦争開戦と愛犬家・その9

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1、昭和十六年度犬界に於ける最大の印象

事變下何と云つても愛犬の糧食が問題化され、代用食其の他の食糧確保に研究努力を要する一方、軍用犬の眞價も愈々軍部に認められ、逐次一兵器として各地各軍に重要視されて來た様に思ひます。
 

2、昭和十七年の貴犬舎の計劃

御承知の如く此の際一頭にても多くの訓練を致し度くも、食糧配給問題の解決せざる間は充分なる事も望み得ず、時期の來るまで待機の姿勢を以て現状非常時代を善處して行きたし。

 

3、犬界の新體制的發展の具體的方法手段等

 

支援の都合上詳しくは述べられませぬが、要するに二團體合同(※KVとJSV)、食糧資源確保、種犬の輸入更新、軍犬への免税等ではないでせうか。
 
京都 高谷三平 『前年度の犬界印象その他』より
 
帝国軍用犬協会と日本シェパード犬協会では、本部のみならず各地方支部も抗争を繰り広げていました。「あそこは財務状況が悪化している」的なデマを流すなど、なかなか陰湿なやり方だったとか。
関西地方でも両団体の合併が叫ばれていたことは、JSVが全国規模でKVに抵抗していた証でもあります。かつてNSC(日本シェパード倶楽部)が帝国軍用犬協会へ併呑された時は、東京本部が自分勝手に合併合意したことで地方支部メンバーが大混乱に陥りました。NSCの残存勢力が結集したJSVでは、そのリベンジを果したといえるでしょう。
陸軍の威光も筑波藤麿JSV会長(皇族出身)には通用せず、双方が睨み合いを続けているうちに戦時犬界は崩壊してしまいました。
 

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