大正13年5月13日診察
生年月日 昭和5年5月13日生れ
犬種 シェパード
性別 牡
地域 東京府
飼主 松本有義氏
生年月日 1935年5月13日 ドイツ生まれ
犬種 シェパード
性別 牡
地域 大阪府
飼主 中谷氏
廃犬ジヨニー入院
(5月)十三日朝、下谷車坂交番へは薬壜を提げたり、圓タクを乗り付けたりする人で立番のお巡りさんも應接に忙しい。既報「廃犬ジヨニー」を助けたいといふ人々だ。
早朝どこかのお内儀さんが硝子の一升壜に「鉱泉の水」をいつぱい入れて持参、「これを塗けてやつて下さい。宅の猫が同じ病氣で癒りましたから」と來るかと思ふと、次には貝入りの油薬を持つて來るなど後から〃交番や飼主呉服行商小林富五郎さん(四〇)方に殺到する。
結局必ず引受けて治すといふ大森區田園調布の犬猫病院佐治正次郎氏がジヨニーを圓タクに乗せ引取つた。ジヨニーは當分入院。
東京朝日新聞記事より 昭和10年
五月十三日、黒枠の封書が獨逸から届いた。
シユテフアニツツ翁の死!
此の豫感と、之を否定したい気持ちが相交錯して暫くの間、開封する事が出來なかつた。果して手紙は、翁の死を報ずる遺族からのものであつた。先頃出した私の手紙に對して、あの几帳面な翁から何故返事が來ないのだらうかと不審に思つて居たのが漸く解つた。
翁の若い頃の颯爽たる軍服姿や、晩年の好々爺然たる俤が走馬燈の様に頭を過ぎる。そして最後には翁の一生を捧げた大事業たるS犬の事に思いは走せる。
獨逸土着の舊い牧羊犬に萬能作業犬の素質を發見したる時の驚異と愛國的な興奮。
Horand von Grafrathなる犬を見出した時の歓喜とS犬の各標準の決定。三四年間に二千數百マルクに及ぶ宣傳乃至は説明の私信郵税等々の初期時代の翁の苦労。
次いで蕃殖犬籍簿、種犬選定制度、蕃殖監理制度等の制定に拠つて、欧州大戰後の獨逸S犬界の危機を辛くも乗り切つて今日の盛大に致したる翁の偉業。
獨逸S犬界の海外進出と共に、外國に於ける蕃殖の邪道的傾向に伴ひ、犬種に對する愛國的痛心憂慮、獨逸S犬界の世界的、永久的名声維持の為めの諸外國S犬界との提携。
JSVとの契約締結。
ナチス統制下に閑地に追はれたる晩年等々、彼の生涯の偉大な軌跡を偲ぶ時、感慨無量のものがある」
日本シェパード犬協會理事 相馬安雄 昭和11年
武蔵野愛犬同好會主催「名珍犬観賞會」に出陳されたサルーキ。
新宿伊勢丹屋上にて、昭和11年5月13日撮影
武蔵野愛犬同好會主催「名珍犬観賞會」に出陳されたケリーブルーテリア。
新宿伊勢丹屋上にて、昭和11年5月13日撮影
武蔵野愛犬同好會主催「名珍犬観賞會」に出陳されたチャウチャウ。
新宿伊勢丹屋上にて、昭和11年5月13日撮影
一省一部主義で、軍犬普及充實に邁進!滿洲軍用犬協會総會で決定す!
滿洲軍用犬協會昭和十一年度總會は、五月十三日午后一時から國都新京記念公會堂で開催。高柳會長以下本部役員並に在京各地會員及び來賓として田崎関東軍獣醫部長を始め、加藤、有馬、田名部獣醫部員の出席あり。
先づ高柳會長の挨拶についで岩朝理事から前年度の事業、並に會計報告あり、本年度の事業計畫並に役員増員について審議を行ひ
一、本年度一省一部主義を以て事業の擴張を行ふとともに映畫、刊行物その他を以て軍用犬の普及に努むること。
一、協會の事業発展上、現在三十五名の理事を五十名に増員すること。
一、来年度の事業豫定。
等各議案其滿場一致原案通り可決して午后二時四十分閉會した。
「満洲軍用犬協會沿革史」より
五月十三日午後七時十分、チエリー號を同伴せる李監視員は同僚一名と共に石建坪上流松洞谷口付近を警戒中、闇夜を利用し豆満江を渡渉し來る數名の密輸入者を発見、猶も潜伏し其の上陸するを待ち誰何せるに、彼等は監視員の少人數なるを侮り、其の儘強行突破を企圖せるに依り、猶豫なくチエリー號をして襲撃せしめたる處、同號は其の先頭に突入し物凄き襲撃を加へ、監視員亦機を失せず驚愕狼狽せる犯則者の検挙に着手せるを以て、彼等は急遽荷物を水中に抛棄して對岸に遁走せんとし、内二名はチエリー號の追跡に堪へ兼ね更に粗塩百八十斤をも遺棄せり。
満州国税関監視犬月報 昭和11年
福岡全國畜犬展
福岡養犬社主催にて五月十三、四の両日、福岡市玉屋デパート屋上に開催。出犬數百四十頭の多數に及び、審査員も公平を期するため東京木下豊次郎、大阪小菅米策、名古屋土屋孝の三氏に依嘱したが、場所柄と土、日の好晴に立錐の餘地もない程の人出であつた。
なほ一般人氣投票を行つたところ、意外の犬が優勝したりして一層人氣を浚つた。
昭和11年
平林家畜病院『狂犬病予防注射控簿 昭和十三年十月廿七日以降』より
昭和17年5月13日診察
昭和十八年五月十三日四時三〇分頃、新店警備隊土屋伍長を長とする鐡道巡察隊員は、新店南方部落約一〇〇米の地點に達するや挙動不審の土民を發見せり。又一方の怪しき土民も巡察隊員たる事を察知してか、何物か持参せる物品を麦畑に投入し逃走せんとせり。
折柄巡察隊員に加り、鐡道巡察の任を受け隊員に同行せる軍犬兵鈴木一等兵は、好機とばかり同伴せし軍犬速を以て得意の襲撃を令したり。
軍犬速號は好機とばかり追跡、難なく咬捕せり。土屋伍長以下の巡察隊員一行は、早速取調に懸りたる其の結果、彼の持参せる物品は鐡道用材と判明せり。敵は屢々鐡材不足を補ふ爲土民を利用し、占領地區の鐡道を秘かに搬出せんと企圖せり。
本行動は日頃の適切なる訓練と、軍犬速號の良稟性の賜と云ふ可きなり。軍犬速號及鈴木軍犬兵の敏速なる活躍は警備隊一同の信頼と賞賛の的となれり。
支那派遣軍ゝ犬育成所「軍犬使用戰例」より 昭和18年