蘇渓鎮南方二粁除家嶺村地鎮に於て、軍用電話線屢々切断せられ、分遣隊は極力犯人捜索中なりし處、六月二十五日二十一時三十分、又々同地點に於て百二十米切断せられたり。
依つて倉田中尉以下〇名(軍犬〇頭)現場に急行、軍犬をして犯人捜索を實施せしめたるも遂に無為に終れり。
依つて更に捜索及情報蒐集に努めたる處、たま〃華中鉄道保線夫銅線を杭州に売却するものありとの言に依り、六月三十日供野兵長以下〇名(軍犬〇頭)蘇渓驛に張込捜索に任じ在りしが、挙動不審なる保線夫三、乗車せんとするを発見。
其の二名を捕獲せり。一名は逃亡せり。
依つてプンツガ號をして襲撃を命ずるや、果敢に追随。
之を除家村部落東端に逮捕するに至れり。
更にプンツガ號をして除家村部落を捜索せしめたる所、一民家より銅線八尺発見。之が発端となり電話線窃取売却犯人を逮捕するに至りたるものにして、プンツガ號活躍の顕著なるものなり。
支那派遣軍々犬育成所「軍犬使用戦例」より