日本人を「東方に於けるプロシア人」と呼ぶのは正しい!我々の犬種の實用性の向上と保持の爲に努力する、JSVの訓練愛好者達が有する熱心と細心さは、實に十分認めらるべき價値があ り、我々の多くの地方支部團體も、以て範とすべきに足るものである。
性能試験や本質試験の外に、この耐久力(持続)試験と夜間作業が、我々の訓練目的と課題に對して、實に重要な意義を有つてゐるといふことは、今迄繰返し指摘せられた所だつた。それは蕃殖選定犬制度以外の何物でもない、展覧會向きの訓練より、より重要な意味を、同様に「警察犬訓練遊戯」よりも、より重要な意義をもつてゐる。しかも、どの地方支部團體でも、大した費用なくして行ふことの出來ることだ。
勿論やるやらないは地方支部團體の勝手だけれども、こうした小さい團體としては寧ろ、それは義務的な課題だと云はねばならない。
SV会誌1934年8月15日号掲載『JSV耐久力テストに對するフオン、ステフアニツツ氏の批評』より
國防献金のため去る八月十五日、恰も南座に開演中の大江美智子一座「吼へろ軍犬 」に當地會員日野七蔵氏エレックス號が出演するので、此の機會を利用し國防献金観劇會を開催する事になり、京都聯隊區間内在郷軍人會、軍友會、國防婦人會の後援の下に實施した。
後援團體の大なる盡力に依り、予期以上の成績を得、決算の結果純益二〇〇圓を九月四日國防献金として第十六師團司令部に支部長以下幹部出頭献金した。
師團係員も其の厚意に大に感謝した。
其他、京都支部管下の軍用犬のための献金を拾へば左の通り。
1.京都市東山線古門前上る上田潔氏は、軍用犬のためにと金三十圓を献金した。
2.京都市伏見区深草正覚寺町八ノ一平野みね氏は、金十圓を第十六師團の軍用犬にと献金した。
帝國軍用犬協會 昭和12年
八月十二日、世田谷區松原町、H氏愛犬エアデール種(牝)マリーの咬傷があつたが、八月十五日、狂犬病と決定した。
更に九月九日、日本橋區濱町、T氏飼育犬スピツツ種(牡)ポチ號が狂犬病と診定された。同犬は、今年六月ハルピンより連れ歸つたもので、同地獣醫師の豫防注射済みの證明書をもつてゐたが、これは偽證と認められた。
「東京に狂犬病發生」より 昭和14年
拝復
本日御丁寧なる御便り厚く拝見仕り候。小生も四郎も共に非常に元氣で訓練に出て何時でも任務に邁進出來得る様に一生懸命になつて居る故他事乍ら御休心被下度候。
小生も第一の戰友の一人と思つて休みの時でも木の下で犬と共に語り仲良く其の任務を果たせる様に勉励致して居る故、他事乍ら御休心被下度候。食事も當地では豚を非常に良く食べるので、炊事で肉を貰つて來ても兵隊の食事よりよい様な物ばかり自分より先に食べさして弟の如くにして育て居り候。
何とぞ御安心被下度候、御貴家様より慰問品の到着するのを心まちにまち居り着き次第四郎に食べさし喜ばしてやり度いと思ひ待ち居り候。
昭和14年8月15日 ○○部隊一等兵岸田秀好氏よりの第四信
八月十五日のこと、千葉縣片貝町宇野作治氏三男武ちやん(四つ)は川で水遊び中あやまつて深みに落ち込み、溺れようとしたのをともに遊んでゐた近所のシエパード犬ハーロー號(二つ)が發見、ざんぶととび込んで見事に武ちやんを救助、町内の絶賛を浴びた。
昭和15年