生年月日 不明
犬種 越の犬
性別 牡
地域 石川縣
飼主 相良氏
ボク號
ボク號は率直にかけば審査當時金澤における唯一のよい越ノ犬であつたが、やゝ身窄しい感じがあり、大分問題になつたのであるが、當時漸く一年少しの若犬であり、将来必ずよくなるといふ見越しのもとに推薦することに決定したものであつたが、数ケ月をへた昨冬文部省へ送るべき写真をみたとき、犬が変つたのではないかとさへ思ふくらいよくなつてをり、見込みのはづれなかつたことを誇りあつたものである。
この犬はとりたてゝいふほどの缺點はないが、この邊の犬のもつ殆ど共通した、たとへば前後肢の趾（指）くずれ、後肢のびり、後頭部より顎部にかけて張りがなくこけてゐること等が、聊か気にならぬでもないが、能登系の犬としては珍らしく眼もよく、全體に形の整つた標準に近い残存犬であり、優良日本犬たるに間違ひなく、筆者も相良氏のより一層の出精（主として運動管理）を心から期待してゐるものである。
石川縣天然記念物越ノ犬保存會 麻生徳次 昭和14年
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ボク（天然記念物）
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