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陸軍軍犬手採用規則 昭和11年

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六月十七日、陸軍軍犬手採用規則が發令せられた。
この軍犬手と云ふのは陸軍歩兵学校の軍犬育成所に在つて、軍犬の育成、手入、訓練等に従事するもので、この發令は軍犬育成所充實の前提とも見られ注目せられてゐる。

軍犬手は主として帰休兵、豫備役下士官兵で、特に軍犬班にて教育せられた者が優先的に採用される模様である。
志願者は十月十五日迄に履歴書を添へ、陸軍歩兵学校長宛に差出せばよいので、在営の下士官兵にあつては、除隊又は帰休前に所属隊長を経て志願する事が出来る。
詳細は次の省令全文を参照せられ度い。


犬
陸軍歩兵学校では、軍犬兵と軍犬手を識別できるようにしていました。

陸軍省令第十五號
陸軍軍犬手採用規則 左の通定む

昭和十一年六月十七日 陸軍大臣 伯爵 寺内壽一


陸軍軍犬手採用規則

第一條
軍犬手は陸軍歩兵学校軍犬育成所に置き、軍犬の手入、保育及訓練の業務に服せしむ。
第二條
軍犬手は傭人とする。
第三條
軍犬手の給料は別に定むる所に依り支給し、被服は定制のものを貸與す。
第四條
軍犬手は通勤するを本則とす。
第五條
軍犬手の採用及解傭は陸軍歩兵学校長之を行ふものとす。
第六條
軍犬手は左に掲ぐる者にして、三年以上軍犬手たることを志願するものの中、身體強健、志操堅確、且技術拾週なる者を選び採用するものとす。
一、帰休兵、豫備役下士官、兵にして軍犬の取扱に適する者。
二、前號以外の者にして犬の取扱に適する者。但し前號の者を以て所要の人員を充足し得ざる場合に限る。
第七條
左の各號の一に該當する者は之を採用することを得ず。
一、禁錮以上の罰に處せられたる者。
二、破産の宣告を受け、復権を得ざる者。
三、素行修まらざる者。
第八條
軍犬手たらむとする者は、十月十五日迄(第一様式)に履歴書(第二様式)を添へ、陸軍歩兵学校長へ提出すべし。
在営の下士官、兵は除隊又は帰休前に於て所属隊長を経て前項の手續を為すことを得。
第九條
志願者中、資格適當なる者は缺員に應じ採用するものとす。
志願書を出したる翌年九月迄に採用せられざる者にして、志願せむとするものは更に前條の規定に依て志願手續を為すべし。
第十條
軍犬手には採用の際軍属讀方式を行はしむ。

附則
第一様式(用紙・美濃紙)

志願書
今般陸軍軍犬手志願ニ付 採用被成下度御許可ノ上ハ 御規則厳重ニ相守リ
誓ツテ陸軍二従事可仕履歴書相添ヘ此段奉願候也
本籍
現住所

戸主(戸主ニ非ザルトキハ戸主トノ續柄)、族称、職業、原所属聯(大)隊
年 月 日
役職、官(等級)、氏名 印
年 月 日 生
陸軍歩兵学校長 宛


第二様式

履歴書
氏名
年 月 日 生
学事

一、何年何月ヨリ何地ニ於テ何某ニ就キ何々ヲ修ム
又ハ官公私立学校ニ入学、何年何月同校卒業或ハ退学
職業
一、入営前何月ヨリ何年何月迄何地ニ於テ何業ニ従事ス
除隊後
一、何地ニ於テ何業ニ従事
兵役
一、何年何兵トシテ何隊ニ入隊
一、何年何月何日何階級ニ進級
一、何年何月何日何学校ニ入学 何年何月卒業
一、何年何月何日ヨリ何年何月何日隊ニ於テ軍犬ノ取扱ニ従事ス
一、何年何月ヨリ何年何月迄何教育掛ニ従事ス
一、何年何月何日出征 何年何月何日凱旋
一、何年何月何日満期(帰休)除隊
一、何年何月何日何役編入
賞罰
一、何年何月何日何地ニ於テ何々ノ事由ニ依リ何賞ヲ受ク
一、何年何月何日何地ニ於テ何々ノ事由ニ依リ何罰ヲ受ク
家族
一、妻(有無)何地ニ於テ何業ニ従事
一、子(男女)何人アリ
其他
右ノ通相違無之候也
年 月 日
役種、官(等級) 氏名 印


犬

このように、昭和19年になっても軍犬ハンドラーの募集は続けられていました。
軍犬兵が不足しつつあった戦争後期には、民間からの雇用も拡大していたのでしょう。


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