名無しの軍犬
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名無しの軍犬と仔犬
名無しの軍犬班
お姉さんとワンコ
忍節子
桑野通子
サンドラヤ(愛玩犬)
マック(愛玩犬)
トム(愛玩犬)
ピース(愛玩犬)
鉄(愛玩犬)
チヨコとデブと富(親子)
生年月日
犬種 三河犬?三州犬?
性別
地域 愛知縣
飼主 加藤富太郎氏
三州犬騒動もありまして、三河犬の定義に関しては戦前の段階で迷走状態に陥っております。
http://ameblo.jp/wa500/entry-12036653493.html
なんちゅう名前だ。
昭和10年の広告より
富士(種牡犬)
隼(天然記念物)
ボニーボーイとルビー夫妻(種犬)
生年月日 不明
犬種 エアデール
性別 つがい
地域 大阪府
飼主 古橋喜男氏
ボニーボーイはボニーサンの父親です。
もしかしたら3年後に出征したボニーサンが、この写真に載っているうちの一頭かもしれません。
http://ameblo.jp/wa500/entry-11502300754.html
昭和10年の広告より
バロン(警察犬)
生年月日 昭和8年生まれ
犬種 シェパード
性別 牡
地域 東京府
飼主 持田清一巡査
持田父子とバロン
夏の夜がホノ〃明けようとする頃、赤羽放水路閘門近くの荒川で、浴衣掛けの元気な青年が、シエパードの水中訓練を行つてゐる。
河原の雑草の朝露は蹴散らされ、颯爽たる若いシエパードは「前進」の聲で勇敢に川面を泳いで行く。
青年と犬の他、この茫漠たる河原に人影もない。天地静寂、たゞ犬が蹴る水沫の音と、青年の命令の聲が聞えるばかり。
青年は毎朝荒川の河原に現はれて、シエパードの訓練を行つてゐる。生ひ茂つた草叢を活躍の舞臺として、「捜索」もやれば、草の薙いだ平地を選んで「跳躍」「前進」「伏せ」の訓練が見事にやつてのけられてゐる。青年も熱心なら犬も一生懸命、もし早起きの人があつて、 閘門 近くを歩くなら、誰れでもその熱心な訓練振りに足を止めずにはをられまい。
この青年は王子區荒川沿岸中之臺駐在所の巡査の持田清一氏。
シエパードは愛犬「バロン」牝十四ヶ月。勤務の忙がしいのに、毎朝この猛訓練では、およそ、その熱心振りが窺はれる。
一人勤務の駐在所は他所目にはノン気に見えて、その實責任は又重い。事務と巡廻は晝夜あつて、家庭人にかへる時間はホンの僅かしかない。その僅かな時間を割いて犬の世話と訓練に當らねばならぬので、持田氏の多忙や甚だしい。
犬の時間を如何に作り出すか、氏の愛犬談はまづ此處から始まる―。
「どんなことがあつても、勤務時間に支障を來してはなりません。そこで犬の訓練は朝早く起きて始めることにしました。
午前四時には必ず起して食餌の世話から訓練を行ひ、午前七時には一切を終つて、あとの一時間が新聞を見たり、食事に當てたり、仕事の用意に取り掛つて、午前八時からは正常な勤務にはいるのです。無駄な時間は一刻もありません。晝の勤務が終るのが午後五時。食事を済ませて、犬の運動です。
昨年の八月、神谷橋の駐在所からこの新築の中之臺駐在所に移りましたが、此處は直ぐ後ろが荒川の土手。川を越えれば大堤防があつて、廣大な堤防の向ふには放水路が洋々と流れ、水あり平原ありで、運動や訓練には絶好の場所です。
夜は巡廻が三時間ありますが、これは何時行ふかは全く不定で、宵の内行ふかと思ふと、深夜行ふことがあり、夜明にかけて歩くといふこともあります。ですから時間によつては、巡回の時間が訓練の時間にその儘續いてしまふこともあり、實に人知れぬ苦労をする時があります。
私の訓練時間は、こんな風に早朝を選んでやるので、いつの間に仕込むのか知らない人が多いのですよ」
愉快さうに笑つて團扇が、かすかに動く。
「私がシエパードを始めた動機ですか。一つ優秀な警察犬を作つてやらうといふ念願からです。警察犬のトツプを切る意気込で、全力を挙げての訓練なのです。
警察犬の必要は今更云ふまでもないことですが、これは實際にその力を発揮しなければ人は承知しません。そこでその性能の發揮に努めてゐる譯ですが、巡廻の時連れてゐると、確かに効果は認められます。
犬が若いので、連行を始めたのはこの春からですが、既に一回犯人を検挙したことがあるのです。
それを詳しく話せといふのですか。一寸困りましたな。事柄も大したことではないので―。
ま、これはお預かりとして、その内これはと思ふ手柄を立てるまで待つて頂きませう。
連行は夜間巡廻の時だけで、綱なしの連行です。私が道順を追ふて歩いてゐる内、犬の方は枝道細道を縦横に歩き廻つて従いて來ますから、闇い露路に潜伏した怪漢など、わけなく嗅ぎ出してしまひます。私の思ひますのに、警察犬は何も犯人の捜索ばかりが能でなく、路地などに隠れた怪漢を見つけ出すといふことが世間に知れるだけで、豫防警察の上から見て大きい効果があると思ひます。未然に犯罪を防ぐといふことは非常に大切なことです」
駐在所の右手寄り、お住居の玄関前に犬舎が置かれ、バロンは主人公と記者との對談に耳澄ます様な顔つきで座つてゐる。
「バロンの身許は?」
氏に對してこれは誠に位置順倒の質問である。
「友人を介して市役所の方から譲つて貰ひました。さらに愛玩犬としてでなく、訓練を施して實際に役立てやうとする此方の気持を先方も喜んでくれました。使役犬は飽くまで使役犬で、今後も訓練を續けて行きたいと思ひます。
単なる番犬とするなら使役犬より狆などの方がむしろよく吠えてくれ、怪しい者を追拂ふには、経験上狆などがよいと思ひますが、追拂ふばかりでは私共の立場としては困るので、色々研究した末、シエパードならと思つてゐたのです。
どうやら訓練が進み、今後を楽しみにしてゐます―」
氏のこの努力は竟に實を結んで、先日の帝犬の基本訓練試験には一流訓練家に伍して、見事Zpr(※種族訓育試験)の試験にパスしたのである。
記者が氏を訪問したのは、夜の勤務が正に始まらうとする夕暮の一つ時で、犬の運動から帰つて、あわてゝ夕食を掻つ込んだ氏とのスピード・インタヴユウだつた。
「どうもお忙しい思ひをさせまして……」
「いや……いつも時間がないので……」
「荒川放水路に暁の猛訓練」より 昭和9年
直轄警察犬が復活する昭和12年までは、このような警察官のペットたちが犯罪捜査で活躍していました。
2016年7月度月報
戦後70周年を迎えた昨夏は、イロイロと困惑することばかりでした。
銃後犬史の記事だけ見た人から「毛皮のブログ」と勘違いされたり(これはキツかった)、それでも日本人かとお叱りを受けたり、お前は戦時を肯定するのかとお叱りを受けたり、表に出ていない部分では結構アレだったんですよ。
スマホからの閲覧が多くを占める現在、近代犬界事情を100近くのカテゴリに分類した意味とかも察していただけないワケで(PCモードじゃないと画面表示されないの)。
だから誤解されるのも仕方ないのか。時代背景を説明することすらアカンのか。
単なる犬のブログに、ナニを求めていらっしゃるのでしょうか。よく分からなくなってきました。
先方には悪気がない、というかむしろ評価してくださってのコメントなのですが、コチラとしてはどうにもこうにも。
いい加減懲りたので、今年はコメント欄を閉鎖いたします。銃後犬史の13分割縦深陣地化も一段落つきましたし。
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現在は戦前の児童教育資料を調べている最中ですが、どうやって犬と絡めたものか。「軍国教育ガー!」で全てを片付ける思考停止もイヤだなあ。