生年月日 不明
犬種 不明
性別 不明
東京第一陸軍病院では、盲導犬を詠んだ歌が数多く生まれました。
それらの中には名称不明の失明軍人誘導犬たちが登場します。彼等が千歳や長門やエルザと同じ犬だったのか、今となっては分りません。
陸軍上等兵 武石福榮氏
首の鈴 ひゞきさやかに戦盲を 誘導しゆく犬のたくまし
陸軍上等兵 木澤春雄氏
盲導犬の 鈴の音するに後追えば 角まがりしか聞えずなりぬ
陸軍一等兵 大野豊一氏
雪の道 やはらかく足うくごとし 盲導犬もしつぽ振りつつ
陸軍曹長 岡本當雄氏
手折り来し 山茶花の花赤ければ 盲導犬の首にさしやる
陸軍上等兵 伊藤達夫氏
霜柱 さぐりつゝまよふ庭山に 盲導犬の鈴の音聞え来
吾の手に塑り得し犬の太き尾を なでつゝをれば楽しかりけり(※これは塑像の犬を制作した時の歌です)
陸軍一等兵 山中惣吉氏
我が前を 盲導犬の鈴につれて 戦友の足音を軽々とゆく
東京第一陸軍病院救護看護婦 山本サヨ子氏
見えねども 見ゆるが如し敏捷に 犬つれてかける戦盲たくまし
陸軍病院救護看護婦 長澤美代氏
立ちし耳 かまへし足の猛くして 盲導犬の目の柔和なる
陸軍病院点字翻訳・筆耕・朗読ボランティア 増田みね子氏
盲導犬 病室(へや)に入りくる人の義眼あきらかに わきて吠えぬといふも
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名も無き盲導犬たち
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