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Channel: 帝國ノ犬達
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8月4日の犬たち

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八月四日夜十二時に日光驛着、これより直ちに湯本に向つて登山。途中東照宮のあたりからぽつ〃雨が降り出したが、蛮勇を振つて歩いて行く中、雨は益々猛烈となり、どうにも人間が歩けなくなつてしまつた。
此間犬は、久し振りに自由の天地に放たれた喜びに、實に見て居つてもうらやましい位であつたが、都育ちの犬見たいに、無駄歩きはせず、餘裕綽々として、我々の十間位先を得意になつて歩いて行く。
そして我々が雨にたたきのめされてへたばつた頃も、平然と歩いて居た。これには、稍面目が無かつたが、目的地の中禅寺湖迄行けず、馬返と中禅寺の中間程の所に、アヅマ屋があつたので、其處へ天幕を敷いてて第一夜を露営した。體がすつかりぬれて居たので、随分寒かつたが、私だけは犬をだいて寝たので、他の連中よりは寒い思ひをしなかつた。
小松眞一「山に遊ぶ記」より 昭和9年

 

八木賽犬會長就任と共に、新に副會長として、大津峻氏を依嘱。關係全員新支部長及會長を擁立、賽犬會創始者堀内一雄氏の素志を継ぎ軍犬報國に只管邁進する事となつたのである。
同時に賽犬會は滿洲軍用犬協會安東支部の支配下に獨個の立場から事業遂行に發足したのである。
賽犬會の業績は回を逐ふて加速度に向上。八月四日には會の剰餘金中より金二萬圓を割いて、安東市義勇奉公隊各分隊に消防器具整備の基金として寄贈する等、公共事業方面への協力も併て次々に行はれた。 

滿洲軍用犬協會  康徳九年


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