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Channel: 帝國ノ犬達
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廸宮殿下への献納犬 明治35年

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明治34年、嘉仁親王と節子妃の長男として廸宮(みちのみや)が誕生。それを祝い、翌年に犬が献納されました。体長120cmで体高30数cmの英国犬とありますが、品種は何だったんでしょう。

明治時代の犬猫病院で断尾手術をしていたこと、捕鼠犬の知識があったことなど、興味深い記録ではあります。

あと、廸宮は後の昭和天皇です。父親の嘉仁親王(大正天皇)も熱心な愛犬家でしたから、献納品に犬を選んだのもその辺が理由かもしれません。

 

 

京橋區八官町宮里總七方に優れたる犬あり。

去頃七頭(内牡二頭)の兒を擧げ、其内一頭は廸宮殿下に献納するとなりたる由なるが、同家にては面目此上もなしとて、先づ之を麹町内幸町なる家畜病院に伴ひ、其尾を切斷したり。

就て一見するに生後月餘に過ぎざるに頗る元氣克く總身純白にて只耳邊に黑點あり。斯く尾を切るは斯犬を飼養する者の常とする所なりとか。

又親犬は本年春英國より態ゝ取寄せしものにして、身長約四尺、高さ一尺二、三寸あり。

牡は全身總茶色、牡は總白にて何れも英國の名犬共進會に於て三度とも賞牌を受けたる程の優物なり。

而して、此犬の特技は能く鼠を搏る事、道拂ひなすと事等なりと云ふ。

 

「献納の犬」より


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