まだコロナが小康状態を保っていた頃、三年ぶりに他エリアの支店を訪問しました。同じ会社だというのに、玄関前で検温しながら「入っていいのかな」と逡巡する謎の罪悪感。
僅か三年で、それだけ疎遠になっていたんですね。
で、同期に挨拶しようと彼のデスクを見たら、知らない人が座っています。
そして私に気付くと、「よう、久し振り」などと言ってくるワケです。誰だお前は。
いつもWEB会議の画面越しで、しかもマスク姿では気付かなかったのですが、テニスが趣味でジム通いしていた三年前と比べ、同期は相当にふくよかな体型へメタモルフォーゼしておりました。
「コロナで運動しなくなったからねえ」などと苦笑いの後、「お前の体型もひどいけどな」とか言い返されて落ち込む私。
その後で一緒にお取引先を訪ねたのですが、商談の内容は「アレもコレも値上がりして、入荷もいつになるか分からない」「コロナが終らないとどうしようもないよね」という愚痴に終始。
出されたお茶をいただくべきかどうか、マスク外していいんですかね?と謎の罪悪感で逡巡していたところ、応接室の前を社長さんが通りかかりました。
三年前にお会いした時はカクシャクとしていらっしゃったのに、今日は何だかやつれたように見えます。
ご無沙汰しておりますと挨拶したところ、「何だ、随分と太ったな」と言われて落ち込む私。
アレコレと近況についてお話ししてくださったのですが、昨年に体調を崩されたそうで「歩くのも辛い」とのこと。「アナタと会うのも、これが最後かも知れないね」と真顔で仰るので、「また、コロナ明けにお伺いします」とお返事するのが精一杯でした。
大嫌いなゴルフや飲み会がなくなって、停滞していた業務のデジタル化が一挙に進展した三年間。
その一方で、イロイロなことが失われた三年間でもあったのでしょう。
などと思いつつ出張から戻ったら職場の玄関に抗体検査キットが置いてあって、「結果が判明するまで中に入るな」とシャットアウトされました。ニュースでは、コロナ第七波が到来しつつあると報じています。
この先どうなることやら。