警視廳の警察犬は、現在府下武蔵境の帝犬第一養成所の一部を借りて飼育されてゐるが、今回品川區北品川埋立地六百坪の敷地を求めて獨立犬舎を設けることとなり、二十數室からなる犬舎を建設中で、完成次第同所に引越し、警察犬の大量訓練を行ふことになり、訓練後犯人護送、夜間警邏、足跡捜査追究、防衛等に使用するため漸次各署に配置することとなつた。
『警視廳の新犬舎』より
帝国軍用犬協会第一軍用犬養成所で訓練中の警視庁警察犬と警察犬係の朝倉巡査(内閣情報局・昭和12年)
社団法人帝国軍用犬協会では、第一軍用犬養成所に続いて警察犬訓練施設としての第二養成所の建設を計画。
しかし資金不足で頓挫となり、間借りしていた警視庁警察犬係は独自の訓練施設を設けることとなりました。
これら警視庁警察犬訓練所も、太平洋戦争が始まると職員の戦地出征などが重なって機能を停止。犯罪捜査や防犯啓発活動に投入されていたヒロー號などの警察犬たちも、頭数を増やすことなく引退します。
関東エリアで直轄警察犬制度が復活したのは、西日本の他県警に10年遅れた昭和31年のことでした。
昭和31年に再スタートした警視庁犬舎